順愛こども園のななふしぎ

「先生」とよばないのはなぜ?
順愛こども園の仲間はファミリーです。順愛職員は保護者の皆さんと一緒にお子さんの育ちを見守り子育てを手助けする伴走者であり、子どもたちにとっては子供を愛し養護教育する第二の父母、じーじばーばでありたいと願い、〇〇先生ではなく、〇〇さんと呼んでいます。
昔は親だけでなく地域のたくさんの大人の見守りの中で子どもは育ちました。核家族化が進み地域のコミュニケーションも薄らいだ現代、子育てするご家族には、不安や苦労が多いことと思います。
私たちは保育教諭として、その専門性を生かしつつ子育て家庭を援助する仲間です。
薄着・はだか保育はなぜ?
創立当初ははだかの保育を奨励していました。現在でも子どもによっては冬でも園生活中は上半身はだかで過ごす子もいます。
薄着はだかにより活動が活発になり、知能の発達促進を図り、体温調節機能を活発にさせ、自律神経を鍛える。皮膚を丈夫にする。自然や刺激に敏感に反応するデリケートな人間本来の能力を甦らせる。
開放的で寛容明朗な性格になるなど、たくさんのメリットがあり、アトピーがひどかった子も卒園する頃には軽くなり喜ばれたこともあります。紫外線の心配や不審者の心配など、世情によりはだか保育は希望に任せていますが、一年を通し薄着で健康な心身の育成に努めています。
TVを見ないのはなぜ?
“テレビに子守をさせないで!!”30年ほど前によく耳にした言葉です。
テレビは視聴者を飽きさせないよう、より刺激的に巧みに構成されています。鮮やかな光と、刺激的な言葉や音楽のとりこになり、TVばかり見ている子どもが増え人とのコミュニケーション能力が低下している人が増えてきたことに心配もされ「テレビに子守をさせないで!!」と警鐘を鳴らされたのでしょう。園では人や自然物などの環境との関わりの中で成長してほしいと願いますので、保育中テレビを見ることはありません。
また最近のヒーローものの番組は暴力的なシーンが増えアニメとともに売り出すキャラクターつきの玩具や衣類など売込みが目的とも思われるものがほとんどで、幼い子どもたちは影響を受けやすく、乱暴になったり次々と出る商品がほしくなったりします。園ではキャラクターもののタオルやコップなどもおすすめしていません。
なぜ、ビデオ撮影がダメなの?
IT機器の発達により、子どもたちの成長の様子を記録するため、行事のたびにカメラを構えられる方が増えてきました。しかし子どもたちはカメラを通してでなく肉眼でがんばっている姿をおうちの方に見ていただけることが何よりの喜びです。
子どもたちの一挙手一投足を生で見、感じ、成長を喜び涙したり笑顔を返してあげてほしいと願います。
またカメラを構えるとわが子だけを画面でおってしまいますが、広い目で流れを追ってみていただくことで、おうちの方の記憶にもより鮮明に残るのではないでしょうか。行事の思い出は画像もよいでしょうが記憶に残ったことを言葉で折あるごとに伝えることにより、愛情とともに子どもの心に響くものです。
そういった理由もあり、発表会では個人のDVD撮影は遠慮していただき、業者の方に依頼しています。
なぜ、下駄をはいているの?
2足歩行の人間にとってからだをささえる足裏を鍛えることは生涯の健康につながると思います。乳幼児期に足にあわない靴をはいて生活するよりも、下駄をはくことをおすすめしています。
下駄は足指を鍛え土踏まずの形成を促進するのに最適な履物です。からだのバランスが悪いと下駄がまっすぐに尽きてゆきません。そこで左右の下駄を時々交換してはくことにより、からだのゆがみも矯正されます。大きいクラスの子たちが下駄で遊ぶのを見て2才ぐらいになると下駄をはきはじめ、卒園する頃にはなかなかのスピードで駆けていく子どもたちです。
また、靴で元気に活動すると足がむれてとても臭くなります。下駄ですとそれもなく、清潔でいられます。
虫のお葬式をするんだよ
子どもたちにとって、ダンゴ虫やあり、せみやカブトムシ、とんぼなど虫た ちは宝物。捕まえて観察して遊んでいるうちに命短い虫たちが動かなくなってしまうこともしばしばです。 小さな小さな虫ですが、ひととき心を癒し、遊び仲間になってくれた虫たちの命を大切に思う心を育てたい と、園庭に虫の墓を作り、年一度舞阪のお寺の住職さんに供養のため香を焚いてお経を唱えていただきま す。子どもたちは神妙に手を合わせ、小さな命に心をとめます。小さなもの、弱いものを労わる優しい心を 持ち続けてほしいと願っています。
子どもたちがずっとなかよしでいられるのはなぜ?
順愛の卒園生は小中高校を卒業する時、また成人式の日そして大人になってからも園内外で集っています。これは園で決めたわけではなくどの学年もいつまでも友情の絆でむすばれているからのようです。これは大人になるまで子どもたちを見届けたいという理事長の思いが伝わっているということだけでなく、乳幼児期を兄弟のように過ごし年に数回のお泊り保育により信頼関係が築かれたからだと思います。
“理事長、20才になったから一緒に飲むか!!”とお酒をかかえたずねてくれる、子どもたちの成長した姿が見られるのは何よりの喜びです。